ハナトラノオ 季節の花-暑い夏から秋まで開花する草花-イパネマおやじ
ハナトラノオ (Obedient plant) は、夏になると、真っ直ぐに伸ばした茎の頂部に花序を出し、2~3cm程の唇形花を穂状に咲かせます。花径は2cm程で花弁の内面には濃い斑点が入り、上唇に沿うように4つの雄しべと1つの雌しべがあります。花序は下から上へ向って咲き進みます。花名のトラノオは、長い花穂が虎の尾に見立てたからです。別名のカクノトラノオの由来は、茎の断面が四角形なことからです。この四角い茎に沿って、四方に規則正しく整列するように花を付けます。
地下茎を伸ばして株が横へ広がる
- 分類:シソ科カクトラノオ属 / 原産地:北アメリカ
- 別名:カクトラノオ(漢字表記:角虎の尾)
- 学名:Physostegla virginiana
- 英名:Obedient plant, false dragonhead
- 園芸分類:多年草 / 耐寒性(強い)耐暑性(強い)
- 草丈・樹高:40~100cm
- 苗の植え付け :3月~5月上旬、10月
- 植え替え:3月~5月上旬、10月
- 株分け:3月~5月上旬、10月(植え替えの際に同時に行う)
- 開花期:8月~10月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(植木鉢、プランター)
- ※記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください)
- 特徴
- ハナトラノオは、北アメリカからメキシコ北部に10数種類が自生するシソ科カクトラノオ属の多年草です。中でも、観賞用として広く栽培されているのはフィソステギア・バージニアナ (Physostegla virginiana) 種です。
- 野原やあぜ道、川沿いなどの日当たりのよい場所に自生しています。渡来したのは大正時代で、日本の暑さや湿度、乾燥にも適応して、草原などで自生している姿がよく見かけられます。強健な性質で、冬期は地上部が枯れて越冬して、放任でも春になると芽を出し、夏には花を咲かせます。地下茎を伸ばして、横へ広がるように繁殖します。
地植えには余裕のあるスペースが必要
- 用土 あまり多くの肥料は必要ない
- コンテナの場合、市販の草花用培養土または赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して、植えつけの1週間程前に、水はけをよくするために、土壌改良用の牛ふん堆肥または腐葉土を(1㎡当たり2~3kg)混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。(用土に、市販の草花用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をしましょう)鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、芽が出る頃と花後に少量だけ骨粉入り固形油粕などの有機質肥料を置肥します。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、芽が出る頃と花後に少量だけ骨粉入り固形油粕などの有機質肥料を置肥します。
- 追肥の際は、植物の根や葉に直接肥料が触れないように注意しましょう。
- 植え付け
- 適期は、3月下旬~5月上旬、10月です。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、根鉢の根を傷めないように、軽く古い土を軽く落としてから植え付けます。「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(65cm深型プランターだと3株が目安)
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。株間は20~30cm空けて植え付けます。
- 植え替え
- 適期は、3月下旬~5月上旬、10月です。
- コンテナの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、年に1回を目安に行いましょう。根鉢を1/3程軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土と元肥を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。但し、数年経って株が混みあい生育が悪くなったら植え替えましょう。
- 株分け
適期は、3月下旬~5月上旬、10月です。植え替えの際、同時に作業しましょう。タネまきや挿し芽も可能ですが、一般的には株分けで増やします。
日当たりがよければ場所は選ばない
- 水やり
- コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。やや乾燥に弱いので、夏期は水切れに注意しましょう。逆に、休眠期は控えめに施しましょう。(表土が乾いてから2~3日待ってから)
- 地植えの場合、基本的には必要ありません。夏期などに乾燥が長く続く場合は施しましょう。
- 手入れ
- 摘芯→放任すると、草丈が高くなり過ぎて倒れやすくなるので、一度摘芯をすると株数が増えて花つきも増えて見応えがでてきます。
- 切り戻し→晩秋になって朝晩が冷え込むようになると、地上部が枯れます。地際から株全体を切り戻します。
- 病気・害虫→特になし
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。
- 半日陰でも育つが、花つきが悪くなったり茎が発育不良で細くなったり間伸びすることがあります。