ニーレンベルギア 季節の花-初夏から秋まで長く開花する-イパネマおやじ

ニーレンベルギア (Cup flower) は、春の花期になると茎上部の葉の付け根から、花径2~3cmの花を咲かせます。花形は、5裂した杯状になることから、英名でカップフラワー (cup flower) と呼ばれます。中心部に黄色のシベが現われ、花色は、白色、紫色、青色、複色で葉は細長い線形や不等形のものなど様々な形をしています。

ニーレンベルギア

日当たりのよい場所を好む

  • 分類:ナス科アマモドキ(ニーレンベルギア)属 / 原産地:南アメリカ、メキシコ
  • 別名:アマモドキ、ギンバイソウ
  • 学名:Nierembergia
  • 英名:Cup flower
  • 園芸分類:一年草・二年草または多年草 / 耐寒性(普通)耐暑性(普通)
  • 草丈・樹高:5~80cm(品種により異なる)
  • タネまき:3月中旬~5月、9月下旬~10月
  • 苗の植え付け:3月中旬~6月(育苗後または市販の苗を購入する)
  • 植え替え:3月中旬~5月
  • 挿し木:4月下旬~6月、9月~10月
  • 開花期:5月~10月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)

注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。

※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。

  • 特徴
  • ニーレンベルギアの仲間は、ナス科アマモドキ(ニーレンベルギア)属で、南アメリカ、メキシコに約30種が分布する一・二年草または多年草です。国内では、暑さに弱く夏には枯れる一年草として扱われてきましたが、品種改良が進み暑さに強い多年草が増えてきました。茎が長く伸長して、枝垂れるように咲くタイプも有り、ハンギングに使われる品種などもあります。
  • 秋まきの場合は、翌年の春には花が咲きます。一方で、春まきして翌々年まで株を充実させる”春まき二年草”は、より見応えのある花が咲きます。国内では、春まきの二年草の人気が高いです。
  • 近縁種
  • ニーレンベルギアは、こんもりとしたドーム状の株姿になるセルレア種とマット状に育つレペンス種、直立するスコパリア種などがあります。
  • ニーレンベルギア・ハイブリッド”オーガスタシリーズ”(Nierembergia hybrid) → こんもりとしたドーム状になり、草丈20~30cm。花色は白色や薄紫色。5月~9月の長期間に次々とツボミを出して開花します。
  • ニーレンベルギア・スコパリア (N. scoparia) → 別名は、アマダマシ(アマモドキ)と呼ばれる。アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ原産の多年草。直立する株姿で、草丈30~80cm。茎頂部は、ほうき状に広がるように分枝する。杯状で薄紫色の花をたくさん咲かせる。
  • ニーレンベルギア・レペンス (N. repens) → 別名は、ギンバイソウ(銀杯草)と呼ばれる。エクアドル、コロンビア、アルゼンチン、ペルー、チリ原産の多年草。マット状に広がるように育ち、株全体に白色が多いが、ときに淡青色や淡紅色の花を咲かせる。グラウンドカバーとして使われることが多い。

ナス科の植物

水はけがよく日当たり風通しのよい場所を好む

  • 用土
  • コンテナの場合、市販の草花用培養土または赤玉土(小粒)5:腐葉土3:ピートモス(酸度調整済み)2:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
  • 地植えの場合、植えつけの1週間程前に、土壌改良用の牛ふん堆肥または腐葉土を(1㎡当たり2~3kg)混ぜ込んで水はけのよい土壌を作っておきましょう。
  • 肥料 
  • コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、4月~10月の間、緩効性化成肥料を月1回程度置肥します。さらに、生育の様子をみて月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。
  • 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、4月~10月の間、緩効性化成肥料を月1回程度置肥します。
  • 肥料の3要素は、チッ素分・N(主に葉を生長させる)、リン酸分・P(花や実を生長)、カリウム分・K(根を生長)です。緩効性化成肥料の3要素は10:10:10の化成肥料を使います。液体肥料は6:10:5の比率のものを使います。
  • 追肥の際は、植物の根や葉に直接肥料が触れないように注意しましょう。

春から秋まで咲く

  • タネまき
  • 適期は、3月中旬~5月、9月下旬~10月です。発芽適温は20℃前後です。
  • 関東以西の温暖地であれば、秋まきができます。但し、苗の生育がゆっくりなので、冬季はビニールハウスやフレームの中で冬越しさせて、春に定植しましょう。このような設備が無い場合は、春まきにした方がよいです。
  • セルトレイなどに、市販の種まき用土か赤玉土(小粒)を敷きつめ、微細なタネを数粒をまいたら、覆土はしないで土を湿らせタネを貼り付けます。その後の管理は、タネが水で流れやすいので表土から水やりせずに鉢底給水(腰水)という方法もあります。
  • 弱い苗を間引きながら本葉が2~3枚になり茎がしっかりしたら、ポリポットに移して仮植えします。ポリポットまきの場合(箱まきからポットに移植した苗も同じ)、本葉が5~7枚になって茎がしっかりしたら、花壇やコンテナに定植します。秋まきの場合は、苗を育てる期間が長いので、ポットのサイズは通常より大きなサイズ(4号サイズ以上)を選びましょう。
  • 植え付け
  • 適期は、3月中旬~6月です。
  • コンテナの場合、鉢底石を敷き、根鉢を抜き出したら、根を傷めないように丁寧に植え付けます。「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(65cm深型プランターだと3株が目安)
  • 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。株間は20~25cmで植え付けます。定植する場所は、水はけと、夏季の西日が長く当たらない場所を選びましょう。
  • 植え替え
  • 適期は、3月中旬~5月です。
  • 鉢やポットで冬越しさせた場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、一回り大きなコンテナに植え替えましょう。新しい用土と元肥を入れた1回り大きな鉢などに植え替えます。1~2年に1回を目安に行いましょう。用土と元肥は「植え付け」と同じです。
  • 地植えの場合、基本は必要ありません。
  • 挿し木
  • 適期は、4月下旬~6月、9月~10月です。当年枝の先端を、5~7cmの長さで切り取り、挿し穂にします。

南アメリカ原産

植物仕切り線大

春~初夏に植えると夏期に長く楽しめる

  • 水やり
  • コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。過湿に弱いので、休眠期の冬は控えめに施しましょう。(表土が乾いてから2~3日待ってから)
  • 真夏は夕方に、鉢中と鉢の外側全体にタップリと水をかけて夜間温度を下げるようにします。通常の季節は朝方に施しましょう。過湿を避けるために、毎日習慣として水を施すのは避けましょう。
  • 地植えの場合、基本的には必要ありません。
  • 手入れ
  • 摘芯→定植後に、花芽のない枝先をピンチして枝数を増やし、ボリュームのある株に育てます。
  • 花がら摘み→花後の枯れた花は茎の元にある小さな芽の上から切り取ります。
  • 防寒対策→地植えの場合、関東以南の平地であれば屋外での冬越しは可能ですが、霜の降る場所では、株元へのマルチングや不織布でトンネルするなどの防寒対策が必要です。鉢植えは屋内に移しましょう。
  • 病気→特になし
  • 害虫→アブラムシ、ハダニ
  • 日当たり
  • 日当たりと風通しのよい場所を好みます。
  • 西日や真夏日の直射に当たるのを避けましょう。コンテナを移動してやりましょう。
  • 地植えの場合、植えつける前に場所の環境をチェックして、それでも日当たりが厳しい場合は、寒冷紗などで直射日光を遮るようにします。

植物仕切り線大