アスプレニウム 観葉植物-幅広で明緑色の葉には活力がある-イパネマおやじ
アスプレニウム (Asplenium) は、明緑色で光沢のある葉を放射状に広げた株姿が特徴です。暑さには強いのですが寒さに弱いので、地植えで育てるのは難しく、室内に置いて観葉植物として育てるのが一般的です。木漏れ日の当たるような、明るい日陰を好むので室内のやや暗い場所でも育ちます。
鉢植えで場所を移動させながら育てる
- 分類:チャセンシダ科チャセンシダ属 / 原産地:アジアや太平洋のの熱帯地域
- 別名:オオタニワタリ、シマオオタニワタリ、アビス(漢字表記:)
- 学名:Asplenium
- 園芸分類:多年草(観葉植物) / 耐寒性(弱い)、耐暑性(強い)
- 草丈・樹高:10~150cm
- 苗の植え付け・植え替え:5月~8月
- 株分け:5月~9月
- 栽培方法:コンテナ(植木鉢、プランター、ハンギングバスケット)
- 特徴
- アスプレニウムは、世界中に約700種が分布するチャセンシダ科チャセンシダ属の多年草です。シダ植物の仲間で、主に熱帯地域に分布しています。日本にも九州、沖縄などの暖かい地域に約30種が分布しています。維管束(水分や栄養を送る器官)を持ち、胞子を飛ばして無性生殖で増えます。
- 観葉植物として人気のあるのは、シマオオタニワタリ (Asplenium nidus) の園芸品種、シマオオタニワタリ”アピス”です。親種のシマオオタニワタリより、葉が幅広で少し短いのが特徴です。さらに、近縁種のリュウキュウトリノスシダやオオタニワタリなどがあります。鉢植えを購入する際には、葉裏などに害虫が付いていないかチェックしましょう。
- 近縁種
- シマオオタニワタリ (Asplenium nidus) → 国内では九州や沖縄、小笠原諸島、アジア・太平洋の熱帯地域に広く自生する。森林の樹上に根を張り付けて、自生する着生種。当種の園芸品種には”アビス”があります。
- シマオオタニワタリ”アビス” (A. nidus “Avis”) → 一般的に育てられている品種です。シマオオタニワタリの園芸品種で、光沢のある葉には縞(しま)が無く幅広で短めのなのが特徴。
- アスプレニウム・ダウキフォリウム (A. daucifolium) → インド洋のモーリシャス島やユニオン縞に自生する。別名が、マザーファンと呼ばれる。子株(葉の先から無性芽を出す)が育つので株分けができる品種です。
- オオタニワタリ (A. antiquum) → 国内の南の地域から台湾に分布する。樹木の上に、根を張り浸けて自生する着生種。草丈80cm程で、放射状に広がるように伸長する。
- アスプレニウム・ケンゾイ (A. Kenzoi) → 熱帯アジアの原産。個性的な葉形をしていて、葉の先からランナーを伸ばして子株を増やしていきます。株分けができる品種です。
- 適応(ハーブ、漢方としての適用)/ 料理・飲み物で楽しむ
- なし
- 用土
- コンテナの場合、市販の観葉植物用培養土または赤玉土(小粒)6:腐葉土3:川砂1:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 肥料
- コンテナの場合、苗を定植後の追肥は、4月~10月の間、2~3ケ月に1回、緩効性液体肥料を置肥、または10日に1回、液体肥料を施します。
- 追肥の際は、植物の根や葉に直接肥料が触れないように注意しましょう。
水はけのよい腐食質の土壌を好む
- 植えつけ・植え替え
- 適期は、5月~8月です。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように根鉢を1/3程(軽く崩す程度で)崩して、古い土を落としてから植え付けます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。
- 植え替えは、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、2年に1回を目安に行いましょう。用土は、最初に植え付ける際と同じです。一回り大きな容器に底石を敷き、枯れた葉と下葉を2割程切り落とし、根鉢を軽く崩して古い土を落とし、傷んだ根は切り取ってから植え付けます。植え替え直後にタップリの水を施します。
- 株分け
- 適期は、5月~9月です。マザー・ファーンやケンゾイなどの品種は子株を作るので、株分けができます。4号鉢にパーライト(黒曜石タイプ)とバーミキュライトが等量の用土に水苔を混ぜた用土に、葉柄から芽を出した子株を切り取り植え付けます。鉢をビニール袋で覆って発根を待ちます。(2ケ月程で発根するまで明るい日陰に置いて管理します)
室内ではカーテン越しの明るい日陰に置く
- 水やり
- コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。冬は乾かし気味で控えめに施しましょう。(表土が乾いてから2~3日待ってから)ハダニを防除するためにも、葉水は通年で施しましょう。
- 手入れ
- 下葉の取り除き→下葉が枯れてきたら早めに取り除きましょう。
- 病気→炭そ病、軟腐病
- 害虫→ナメクジ、カイガラムシ、ハダニ
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。直射日光には当たらない室内のカーテン越しなど、半日陰や明るい日陰に置きましょう。初夏~夏の時期は、遮光して屋外やベランダなどへ置きましょう。
- 半日陰でも育つが、発育不良で細くなったり間伸びすることがあります。真夏日の直射に当たるのを避けるために遮光率50%程になるように作業しましょう。または、コンテナを移動しましょう。