ルコウソウ 季節の花-緑のカーテンを育て夏を涼しく-イパネマおやじ
ルコウソウ (Cypress Vine) は、7月頃の開花期になると、伸びたつるの葉脇がら花柄を伸ばして、花径2~3cmで長さ2~3cmの漏斗形の花を1~2個咲かせます。花冠は星形に開いて、しべが顔を出します。花色は、赤色、白色、ピンク色があります。本来原産地では一年草ですが、耐寒性がないので国内では一年草として扱われます。
育てPOINT
元気に伸長するつるは、細かく切れ込んだ葉が密に茂るので、ネットやトレリスなどに誘引すると緑のカーテンとなり夏を涼しく感じさせてくれます。苗を定植したら、早めにつるを誘引する支柱やネット、トレリスなどの準備をしましょう。
秋になると活発に花を咲かせる
- 分類:ヒルガオ科サツマイモ属 / 原産地:熱帯アメリカ
- 別名:
- 学名:Ipomoea quamoclit
- 園芸分類:一年草(つる性) / 耐寒性(弱い)、耐暑性(強い)
- 草丈・樹高:20~300cm
- タネまき:5月~6月上旬(発芽適温20~25℃)
- 苗の植え付け:5月~6月(育苗後または市販の苗が流通する)
- 開花期:7月中旬~10月中旬
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。
- 特徴
- ルコウソウは、熱帯アメリカ一帯に分布するヒルガオ科サツマイモ属の多年草です。草姿はアサガオとは異なりますが、同じヒルガオ科日本では、晩秋には枯れる一年草として扱われています。中央アメリカ、南アメリカ北部からメキシコの平野に自生しています。美しい葉と可愛らしい花を咲かせる草花として人気があり広く栽培されています。世界中に帰化して、熱帯アジアやオーストラリアなどでも自生しています。
- 近縁種
- マルバルコウ (I. coccinea)→原産地は、メキシコ、中央アメリカ。花色は濃いオレンジ色で、花弁の中心部は黄色。葉は心臓形。世界中で気化して野生化している。
- ハゴロモルコウソウ (I. x multifida)→別名はモミジバルコウソウ。ルコウソウとマルバルコウの交雑種。花色は赤色で、花冠は5角形に開く。
春まき一年草
- 用土
- コンテナの場合、市販の草花用培養土または赤玉土(小粒)6:腐葉土4:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、植えつけの1週間程前に、土壌改良用の牛ふん堆肥や腐葉土を(1㎡当たり2~3kg)混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- コンテナの場合、苗を定植後の追肥は、5月~9月の間、月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。チッ素分の多い肥料を施すと、ツルはよく伸長するが花付きが悪くなります。
- 地植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料(1㎡当たり/30g=1握り)を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、5月~9月の間、2ケ月に1~2回緩効性化成肥料を置肥します。
- 肥料の3要素は、チッ素分(主に葉を生長させる)、リン酸分(花や実を生長)、カリウム分(根を生長)です。追肥の際は、植物の根や葉に直接肥料が触れないように注意しましょう。
- タネまき
- 適期は、5月~6月上旬です。根が直根性で移植を嫌うので、直まきかポリポットまきにします。
- ポリポットまきの場合、3号ポリ鉢に、市販の種まき用土か赤玉土(小粒)、またはバーミキュライトなどの清潔な用土を敷きつめ、3~4粒をまいたら5mm程覆土をします。発芽するまでは、よく観察して水切れを起こさないようにしましょう。弱い苗を間引きながら、本葉が5~7枚になって茎がしっかりしたら、花壇やコンテナに定植します。
- 花壇かコンテナに直まきする場合、「用土」と「肥料」の項目で用意した土に、30cm間隔で1ケ所に数粒まきます。発芽するまでは、よく観察して水切れを起こさないように注意しましょう。弱い苗を間引きながら、1本立ちさせます。
- 表皮が硬い種子なので、表面をヤスリなどで傷つけてから、一晩吸水させて柔らかくしてまきましょう。ちなみに、自家栽培した種子を採取して、翌年まで貯蔵してタネまきすることも可能ですが、発芽率が低かったり、親と同レベルの質のものが育ちにくいです。(案外こぼれタネで簡単に発芽することもありますが)
- 植え付け
- 適期は、5月~6月です。生育適温は20~30℃です。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。移植を好まないので、ポリポット苗の根鉢を崩さないように丁寧に植え付けます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(65cm深型プランターだと2~3株が目安)
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。移植を好まないので、ポリポット苗の根鉢を崩さないように丁寧に植え付けます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。株間は30cm位空けて植え付け、支柱を設置します。
- 定植したら、早めに支柱やネット、トレリスなどを設置して、つるを誘引する準備をしておきましょう。
つる枝がよく茂り夏に涼しい緑のカーテンになる
- 水やり
- コンテナの場合、土の表面が乾いたら、鉢底から少し流れ出るくらいタップリと水を施します。
- 地植えの場合、基本的には降雨のみでよいですが、乾燥が続くようなら水を施しましょう。
- 手入れ
- 花がら摘み→花が咲いたあと放置すると、タネを付けるので早めに摘み取ります。
- 支柱立て・誘引→鉢植えはアンドン仕立てにすると誘引しやすいです。地植えは、支柱になるフェンスや鳥リスなどに誘引します。つる茎が細いので、網目の細かいネットを張ると誘引しやすいです。(注:アンドン仕立て→アサガオによく使われている支柱)
- 病気・害虫→特になし
- 日当たり
- 日当たりと水はけのよい場所を好みます。