ハナビシソウ 季節の草花-日中は開き夜間や雨天には閉じる花-イパネマおやじ
ハナビシソウ (Californian poppy) は、花期の4月頃になると伸長した茎頂部に、花径5~8cmの鮮やかな花色の4弁花を咲かせます。花は日中に開き、夜間や天候が悪くて暗くなると閉じる性質です。秋にタネまきして、冬越しをして春に咲く越年草です。尚、降雪のあるような寒冷地では(耐寒温度-5℃)、秋まきよりも春まきして育てます。
日当たりがよく乾燥気味の環境を好む
- 分類:ケシ科ハナビシソウ属 / 原産地:北アメリカ
- 別名:カリフォルニア・ポピー、エスコルチア
- 学名:Eschscholzia californica
- 園芸分類:一年草 / 耐寒性(強い)耐暑性(普通)
- 草丈・樹高:30~50cm
- タネまき:3月~4月、9月中旬~10月(一般的には秋まき、寒冷地は春まきがよい)
- 苗の植え付け:10月~11月(育苗後または市販の苗が流通する)
- 開花期:4月下旬~6月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(植木鉢、プランター)
- ※記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください)
- 特徴
- ハナビシソウは、北アメリカ西部一帯を中心に分布するケシ科ハナビシソウ属の一年草です。丘陵地や草原の斜面などの日当たりがよく乾燥した場所に自生しています。カリフォルニア・ポピーと呼ばれ、日本へ渡来したのは明治時代初期とされています。花形が家紋の花菱に似ていることに因んで、和名であるハナビシソウと呼ばれています。
- 同じケシ科の有名な品種、ポピーとよく似た花形をしています。花色は濃いオレンジ色が代表的ですが、白色、ピンク色、黄色、赤色などの品種もあります。
- 近縁種
- ヒメハナビシソウ( Eschscholzia caespitosa )→北アメリカ西部~メキシコに分布。草丈10~20cmでハナビシソウより小型、花径2~3cm程の淡い黄色の花を咲かせます。別名はミニチュア・サンデーとも呼ばれる。
春に咲く秋まきの一年草
- 用土 水はけがよければ土壌は選びません
- コンテナの場合、市販の草花用培養土または赤玉土(小粒)6:腐葉土4:の割合で混ぜ込んだ土を使います。酸性土壌が苦手なので、赤玉土は弱酸性ですが少量だけ苦土石灰を混ぜ込みます(用土10L当り20~30g)
- 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰(1㎡当たり100~200g)を混ぜ込んでおきます。さらに、植えつけの1週間程前に、水はけをよくするために土壌改良用の牛ふん堆肥または腐葉土を(1㎡当たり2~3kg)混ぜ込んでおきます。
- 肥料 やせ地でも丈夫に育つ
- コンテナの場合、市販の用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をしましょう。自分で用土を調整した場合、植え付けの際に用土の中に元肥として少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。苗を定植後の追肥は、春になったら月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として少量の緩効性化成肥料(1㎡当たり20~30g)を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は基本的に必要ありません。
- 追肥の際は、植物の根や葉に直接肥料が触れないように注意しましょう。
- タネまき
- 適期は、9月中旬~10月です。(降雪があるような寒冷地では、春まき3月~4月にします)根が直根性で移植を嫌うので、直まきかポリポットまきにします。
- ポリポットまきの場合、3号ポリポットに、市販の種まき用土か赤玉土(小粒)、またはバーミキュライトなどの清潔な用土を敷きつめ、3~4粒をまいたらタネが隠れる程度の覆土をします。発芽するまでは、よく観察して水切れを起こさないように注意しましょう。弱い苗を間引きながら、本葉が5~7枚になって茎がしっかりしたら、花壇やコンテナに定植します。(株間は、20~25cm、65cmプランターで3株目安)
- 花壇などに直まきする場合、「用土」と「肥料」の項目で用意した土に、1ケ所に3~4粒まいてタネが隠れる程度の覆土をします。発芽するまでは、よく観察して水切れを起こさないように管理しましょう。弱い苗を間引きながら、株間20~25cm目安で1本立ちさせます。
- 植え付け
- 適期は、10月~11月です。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように、ポリポットから抜き取ったら、土と根をなじませて定植します。植え付け直後にタップリの水を施します。(株間は、20~25cm、65cmプランターで3株目安)
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。根鉢の根を傷めないように、ポリポットから抜き取ったら、土と根をなじませて定植します。植え付け直後にタップリと水を施します。(株間は、20~25cm)
寒さに強いので屋外で自然に育てる
- 水やり
- コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。(表土が乾いてから2~3日待ってから)
- 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。
- 手入れ
- 病気→立枯病
- 害虫→特になし
- 収穫(タネの採取)
- 花後には長いサヤが出来ます。サヤが茶色に変化したら、中の種子が熟しているので採取します。
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。