コンテンツへスキップ
ナビゲーションに移動
- ストック (Stock) は、花期の3月頃になると、真っ直ぐに伸びた茎頂部に総状花序を見せ、甘い芳香を漂わせて花径2~3cmの小花をたくさん咲かせます。春先に咲く花として、花壇用に広く栽培されています。切り花用としても人気があります。
- 基本種は4枚弁の一重咲きですが、八重咲き品種の人気が高く、流通しているのは大半が八重咲き品種です。花色は、白色、クリーム色、ピンク色、青色、紫色など多彩な品種があります。
直根性なので移植を嫌う
- 分類:アブラナ科アラセイトウ属 / 原産地:地中海沿岸、西アジア
- 別名:アラセイトウ
- 学名:Matthiola
- 園芸分類:一年草(二年草)・多年草(品種により異なる) / 耐寒性(普通)耐暑性(弱い)
- 草丈・樹高:20~100cm
- タネまき:9月~10月中旬(発芽適温15~20℃)
- 苗の植え付け:10月~11月上旬(育苗後または市販の苗が流通する)
- 開花期:3月~5月
- ※ 栽培方法:地植え、コンテナ(植木鉢、プランター)
- 注:記載している適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
- ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
- 特徴
- ストックの仲間は、地中海沿岸から西アジアに約50種が分布するアブラナ科アラセイトウ属の一・二年草、多年草です。(国内では一年草として扱われている)約50種ある中でも、主に栽培されているのはマッティオラ・インカナ種( Matthiola incana )です。原産地は南ヨーロッパで、海岸沿いの岩場や砂地の覆い崖などの、日当たりのよい場所に自生しています。美しい花を咲かせるので、観賞用として人気が高く、現在も多くの園芸品種が作出されています。
- 近縁種
- マチオラ・インカーナ(Matthiola incana)→和名は、アラセイトウ。ヨーロッパ(クロアチア,ボスニア・ヘルツェコビナ、イタリア、ギリシャ、スロベニア他)原産の二年草あるいは多年草。茎は直立して草丈30~75cm。葉は灰緑色で全緑~波状縁。茎頂部に花序を見せ、バイオレット色の花は、幅2~4cm、花柄は2~3cm。開花期は、3月~5月
- マチオラ・フルティキュローサ(Matthiola fruticulosa)→地中海沿岸の原産の多年草。茎は直立して高さ10~50cm、上部で分枝する。葉は長さ2~7cmの狭倒披針形または長円形、縁は全縁~歯がある。総状花序を見せ、多数の小花を付け、花柄1~2mm、萼片は7~12mm、花弁は20~25mm。青紫~紫色または緑黄色。開花期は、3月~5月。
- マチオラ・ロンギペタラ(Matthiola longipetala)→和名は、ヨルザキアラセイトウ。ギリシャ、アルジェリア、エジプト、リビア、モロッコ、チュニジア原産の一年草。茎は直立~斜上で高さは10~50cm。茎葉は長さ3~11cm、縁は普通。花柄は長さ1~3mm、萼片は狭長円形、花色は黄色、ピンク色、紫色まれに白色。開花期は、5月~6月。
酸性土壌を嫌うので土質調整する
- 用土
- コンテナの場合、市販の草花用培養土または赤玉土(小粒)6:腐葉土4:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、酸性土壌を嫌うので、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰(1㎡当たり100~150g)を混ぜ込んでおきます。さらに、植え付けの1週間程前に、土壌改良用の牛ふん堆肥または腐葉土を(1㎡当たり2~3kg)混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。(用土に、市販の用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をしましょう)鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、2月~3月に緩効性化成肥料を置肥します。また、開花して花色が薄いとか肥料が足りていない場合、生育の様子をみながら月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、基本的に必要ありません。
- タネまき 発芽適温は15~20℃
- 適期は、9月~10月中旬です。早生種を7月中旬~下旬に播いて、秋までに開花させることも可能ですが、夏の育苗が難しいので、秋まきして春に開花を楽しむのがお奨めです。根が直根性で移植を嫌うので、ポリポットまきにします。八重咲きと一重咲きが混じって発芽する性質があり、蕾の状態になるまでは見分けが難しいです。
- ポリポットまきの場合、2号ポリポットに、市販の種まき用土か赤玉土(小粒)、またはバーミキュライトなどの清潔な用土を敷きつめ、2~3粒をまいたらタネが隠れる程度の覆土をします。発芽するまでは日除けをして、水切れを起こさないように注意しましょう。3~4日で発芽するので、徒長しないように日除けを外します。更に、10日~2週間程が経ったら子葉のうちに、一重咲きか八重咲きを見分け好みの方を選別します。(八重咲きは一重咲きよりも葉が大きく、葉の形は卵形、葉色は淡い緑色。一重咲きは八重咲きより葉が小さい、葉の形は丸型、葉の色は濃緑色です。但し、一重咲きか八重咲きとの見分けはとても難しく、初心者のうちは流通している苗を購入するのがお奨めです)
- 弱い苗を間引きながら、本葉が4~5枚になって茎がしっかりしたら1本立ちにして3号ポリポットへ植え替えて苗を育てます。一重咲きか八重咲きかを見分けるために、更に4号ポリポットへ植え替えフレームや保温設備の中で育てながら、蕾が出るのを待ちます。蕾の形をみれば一重咲きか八重咲きかの正確な見分けができます。それから植え付けても問題はないでしょう。
- 植え付け
- 適期は、10月~11月上旬です。育苗した3号(または4号)ポリポットまたは購入したポリポットの底に根が回って、花が咲いたら花色と八重か一重かを確認して、花壇やコンテナに定植します。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。根鉢を崩さないように丁寧に植え付けます。定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(株間は20cm程)
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。根鉢を崩さないように丁寧に植え付けます。定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(株間は20cm程)
八重咲きと一重咲きが混じって発芽する
- 水やり
- コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。
- 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。
- 手入れ
- 摘芯→分枝するタイプは、摘芯をして枝数を増やしましょう。
- 支柱たて:高性種は草丈が50cm程に育ったら、株が倒れないように支柱を立てましょう。
- 冬越し→地植えの場合、耐寒性があるので関東以南の平地であれば屋外での冬越しは可能ですが、凍結する場所では、株元にマルチングするなどの防寒対策が必要です。コンテナは、軒下や屋内など霜の降らない場所に移動させて冬越しさせます。(寒冷地では、春まきして初夏~夏に開花させる)
- 病気→菌核病、立枯病
- 害虫→アブラムシ、コナガ、ヨトウムシ