タマクルマバソウ(アスペルラ・オリエンタリス) 季節の花-秋まき一年草-イパネマおやじ
タマクルマバソウ (Blue woodruff) は、開花期の春になると茎頂部に花序を見せ、淡い青紫色の小花を多数咲かせます。花径5mm程の筒状花で、筒部の長さは1cm程で花冠は4裂します。
春~初夏に咲く育てやすい草花
- 分類:アカネ科アスペルラ属 / 原産地:西ヨーロッパ、小アジア、コーカサス地方
- 別名:(漢字表記:玉車葉草)
- 学名:Asperula orientalis
- 園芸分類:一年草 / 耐寒性(強い)耐暑性(弱い)
- 草丈・樹高:15~35cm
- タネまき:9月中旬~10月中旬(寒冷地では春の3月中旬~4月中旬)
- 苗の植え付け:10月~11月中旬(育苗後または市販の苗が流通する)
- 開花期:5月中旬~7月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。
- 特徴
- タマクルマバソウの仲間は、地中海沿岸から西アジアを中心に約200種が分布するアカネ科クルマバソウ属の一年草です。茎を中心にして、細長い葉が放射状に広がる姿からクルマバソウ(車葉草)属と呼ばれています。多数ある品種の中でも、園芸用として一般的に栽培されているのは当種のみです。
- 夏の暑さが和らいでくると、「秋まき一年草」のタネまきのシーズンです。特に温暖地では、耐寒性のある一年草を秋季にタネまきすると丈夫な株に育ちやすいので、春咲きのタマクルマバソウに適しています。春先になると、市販の苗が流通しますが、自家まきして秋に定植した苗は、来春までの長い時間があるので、よく生育して大株に育ちます。その結果、春~初夏に多くの花を咲かせる充実した株に生長します。
- 近縁種
- 属名がよく似た、クルマバソウ(Galium odoratum)は、国内では北海道や本州、朝鮮半島に分布していますが、現在はクルマバソウ属からヤエムグラ属へ移されています。
- アスペルラ・へクサフィラ(A. hexaphylla)→和名は、カスミムグラ(霞葎)フランス、イタリア原産で、多年草。草丈10~20cmで、多数の直立した茎を分枝する。茎頂部に頭状花序を見せ、白色~ピンク色の漏斗形の小さな花を付ける。開花期は7月~8月。
- アスペルラ・ティンクトリア(A. tinctoria L.)→和名は、アカゾメムグラ(赤染葎)ヨーロッパ、ロシア原産で、多年草。草丈25~50cmで、茎先の密錐花序状の円錐花序を見せ、小さな花を付ける。花形は筒状漏斗形で、花色は白色。開花期は6月~7月。
- アスペルラ・シンテニシィー(A. hexaphylla)→トルコ原産で、常緑多年草。トルコ原産で、常緑多年草。草丈4~5cmで、茎を真っ直ぐで多くの枝を伸ばす。葉は重なるように茂り、枝先に1~2個の小花を付け株全体を覆うほどの花を咲かせる。開花期は5月~6月。
日当たりと水はけのよい場所を好む
- 用土
- コンテナの場合、市販の山野草用培用土または赤玉土(小粒)6:腐葉土3:バーミキュライト1:の割合で混ぜ込んだ土を使います。(用土に市販の専用培用土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をします)
- 地植えの場合、植え付けの1週間程前に、根鉢の2~3倍の植え穴を掘って、掘り出した土に土壌改良用の腐葉土や牛ふん堆肥(1㎡当たり2~3kg)を混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。(用土に、市販の草花用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をしましょう)鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、翌春の4月~6月に、1ケ月に2~3回、希釈した液肥を施します。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として完熟堆肥などの有機質肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、基本的に必要ありません。
- 追肥の際は、植物の根や葉に直接肥料が触れないように注意しましょう。
- タネまき 発芽適温は15~20℃。やや発芽率が悪いとされる。
- 適期は、温暖地では9月中旬~10月中旬です。育苗箱か、土作りの手間がかからずタマクルマバソウのタネまきに適したピートバンを使ってタネまきします。
- 育苗箱の場合、市販のタネまき用土か赤玉土(小粒)、またはバーミキュライトなどの清潔な用土を敷きつめ、数粒をまいたら、タネを薄く覆う程度の土をかけます。乾燥しないよう水やりをしながら、日陰で管理します。本葉が3~4枚になったら、ポリポットに移します。最終的に茎がしっかりしたら、花壇やコンテナに定植します。
- ピートバンの場合、専用のトレーに入れて十分に給水させます。全体に給水できたら、底に余った水は捨てましょう。次に、土の表面に棒などで溝を掘りタネをまきます。本葉が3~4枚に育ったらポリポットに植え替えて育苗します。ポットの底に根が回って、茎がしっかりしたら花壇やコンテナに定植します。
- 寒冷地では冬の寒さを避けるため、タネまきの適期は春です。その後、夏越しをして秋に開花して冬頃に枯れるというサイクルです。
- 植え付け
- 適期は、10月~11月中旬です。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように抜き取り、軽く古い土を落としてから植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(株間25~30cm、60cmプランターで2~3株が目安)
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。株間は30cm程で植え付けます。温暖地の平地では、地植えが可能ですが霜の降りる場所では、「手入 / 冬越し」の項目を参照してください。
- 植え替え
- 夏には枯れる一年草なので、植え替えの必要はありません。
寒さの厳しい地域では霜除けが必要
- 水やり
- コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。過湿に弱いので、表土が乾いてから2~3日待ってから。
- 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。
- 手入れ
- 花がら摘み→花後の枯れた花は小まめに切り取りましょう。
- 冬越し→耐寒性があるので、特に必要ありません。秋まきしたら、冬の寒さが到来するまでに丈夫な苗に育てておきましょう。コンテナや鉢栽培の場合、晩秋になり霜が降りる前に、軒下などへ移動させておきましょう。
- 防寒対策:地植えの場合、冬までに生育が十分でない苗は、不織布でトンネルを作るなどして霜除け対策を施しましょう。他にも、マルチングをする(植物の株元の地表面を覆うこと)枯れた葉や茎を取り除き、株元を腐葉土やバークチップなどのマルチング材で覆って寒さから守りましょう。
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。
- 日当たりが悪いと徒長気味になりやすいので要注意です。