シノグロッサム 季節の花-初夏に涼しげな水色の花を咲かせる-イパネマおやじ
シノグロッサム (Chinese forget-me-not) は、春になると伸びた茎先に花序を見せ、ワスレナグサに似た花径1cm程の小花をたくさん咲かせます。花弁は5裂して平たい状態に開花します。花色は、青色が基本で白色、ピンク色、紫色がなどがあります。秋にタネまきして翌春に花を咲かせて梅雨頃には枯れる一年草です。
温暖地では秋まき一年草
- 分類:ムラサキ科オオルリソウ属 / 原産地:中国南西部、チベット、世界の温帯地域
- 別名:シナワスレナグサ(漢字表記:支那勿忘草)、ウスバルリソウ
- 学名:Cynoglossum amabile
- 園芸分類:一年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(弱い)
- 草丈・樹高:30~100cm(種により異なる)
- タネまき:9月中旬~10月(発芽適温15℃前後)寒冷地は春まきが適する
- 苗の植え付け:9月中旬~10月(育苗後または市販の苗が流通する)
- 開花期:4月~6月
- 種の採取:6月下旬~7月上旬(花後に数珠なりになる)
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。
- 特徴
- シノグロッサムは、世界中の温帯地域に約70種が分布するムラサキ科オオルリソウ属の一年草です。その中でも、中国南西部、チベット原産のシナワスレナグサ(C. asperrimum)と、その園芸品種が広く栽培されています。一般的にシノグロッサムと呼ぶのは当種を指しています。名前が似ているワスレナグサ(Myosotis spp.)は、ムラサキ科は同じですが、ワスレナグサ属なので異なる植物です。日本に渡来したのは明治の末頃とされています。
- 近縁種 オオルリソウ属
- オオルリソウ(Cynoglossum furcatum var. villosulum)→別名は、ウスバルリソウ。草丈60~90cmで、花冠は直径4mm程で花色は青色。
- オ二ルリソウ(C. asperrimum)→別名は、シナワスレナグサ。中国南西部、チベットに分布する一年草です。日本でも北海道、本州四国、九州に分布しています。秋にタネまきして翌春に開花して初夏には枯れてしまいます。草丈50~70cmで、茎は伸長してよく分枝する。
化成肥料は控えめにして堆肥を多めに
- 苗を選ぶ
- 葉の数が多く、下葉まで付いている苗を選びましょう。全体のサイズが大きな苗を選びがちですが、購入後に下葉が落ちやすく、草丈が高いと茎が倒れやすいです。小振りな苗でも、茎が太く株張りのよりものを選びましょう。
- 用土
- コンテナの場合、市販の草花用培用土または赤玉土(小粒)6:腐葉土4:の割合で混ぜ込んだ土を使います。(用土に市販の培用土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をします)
- 地植えの場合、掘り起こした土に土壌改良のために腐葉土(1㎡当たり2~3kg)を混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。(用土に、市販の培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をしましょう)鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、暖かくなる3月~4月の間、2週間に1回液肥を施します。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、基本的には必要ありません。(肥料不足の兆候が現われた場合は施しましょう)
- タネまき 発芽適温15~20℃
- 適期は、9月中旬~10月です。根が直根性で移植を嫌うので、箱まきかポリポットにまいて育苗して早めに定植します。直根性なので、移植の必要がない直まきが簡単なのですが、直射日光や雨風の影響を受けやすく管理が難しく、発芽率が低いためです。
- 箱まきかポリポットにまきます。市販の種まき用土か赤玉土(小粒)、またはバーミキュライト、ピートモスなどの清潔な用土を敷きつめ、タネが薄く隠れる程度に覆土します。本葉が3~4枚になったらポリポットに植え替えします。更に、ポリポットに根が回ったら、1本立ちにして3号ポリポットへ植え替えます。花壇へ定植します。(移植の際に根を傷めると、その後の根付きがよくないので、ある程度根が張ったら早めに定植する)
- 植え付け
- 適期は、9月中旬~10月です。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように抜き取り、土を落とさずに植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(株間は20cm程)
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。根鉢の根を傷めないように抜き取り、土を落とさずに植え付けます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。(株間は30cm)
移植に弱いので丁寧に植え付ける
- 水やり
- コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。極端な過湿と乾燥に注意すればよいです。
- 地植えの場合、植え付け後に根付いてしまえば、降雨のみで基本的には必要ありません。
- 種の採取
- 花後には、果実が数珠のように連なってできるので、熟して茶色くなったら採取します。紙袋などへ入れて静椎場所で保管して、適期になったらまきましょう。
- 手入れ
- 防寒対策→耐寒性が高いので、温暖地では特に対策の必要はありません。寒冷地では春に播いて夏に花をさかせます。関東以南の平地であれば屋外での冬越しは可能ですが、凍結する場所では、株元にマルチングするなどの防寒対策をしておきましょう。※ マルチング→株元の地表面を覆うために枯れた葉や茎を取り除き、株元を腐葉土やバークチップなどのマルチング材で覆って凍結から守りましょう。
- 支柱立て→株が伸長すると倒れやすいので、支柱を設置して、紐で固定してやりましょう。
- 害虫→アブラムシ
- 日当たり
- 日当たりと水はけのよい場所を好みます。
- 耐寒性に優れているので、株元に落ち葉や腐葉土を敷いておく程度でよいでしょう。