ヒメツルソバ 季節の花-ソバの花に似た小花が球状に密集した花-イパネマおやじ
ヒメツルソバ (pinkhead smartweed) は、花期になると各節から細い茎を伸ばして花序を見せ、多くの花を咲かせます。花序は1cm程の球形で、この中に微細な花が密集しています。開花期は、4月~11月ですが、真夏の時期は少し開花が鈍りますが、しばらくすると次々と開花します。
金平糖のような花序を付ける
- 分類:タデ科イヌタデ(ペルシカリア)属 / 原産地:ヒマラヤ
- 別名:ポリゴナム、カンイタドリ
- 学名:Persicaria capitata (=Polygonum capitatum)
- 英名:pink-head knotweed, pinkhead smartweed
- 園芸分類:多年草 / 耐寒性(中程度~やや弱い)耐暑性(強い)
- 草丈・樹高:5~10cm(つる丈は50cm程)
- タネまき:4月~5月
- 苗の植え付け:3月中旬~5月(育苗後または市販の苗が流通する)
- 植え替え:3月中旬~5月
- 株分け:3月中旬~5月
- 挿し芽:5月~6月
- 開花期:4月~11月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。
- 特徴
- ヒメツルソバは、ヒマラヤ地方原産のタデ科イヌタデ属の多年草です。旧属名のポリゴナムの呼称で流通することもあります。分布が見られるのは、インド、プータン、ネパール、ミャンマー、マレーシア、中国などの、山林の傾斜地や渓谷などに自生しています。国内でも野生化するほど増えているのが見られます。
- 真夏を除く春~秋の時期に、各節から茎を伸ばして花序を見せ、ソバ(蕎麦)の花に似た、ピンク色の小花が密集した直径1cm程の花を咲かせます。耐寒性は、あまり優れてはいませんが、関東以西の平地であれば屋外で冬越しが可能です。さすがに、霜に当たると地上部は枯れますが、春になると再び芽吹きます。
- 近縁種 タデ科イヌタデ属
- ミゾソバ(Persicaria thunbergii)→原産地は、日本(沖縄除く)、朝鮮半島、台湾、中国、インド、ロシア。一年草で草丈30~100cm。根元は匍匐して立ち上がり、基部の節から根を張り出す。花は頭状花序に10~20個が密集して付く。花色は白色~ピンク色で先の紅色が濃くなり5裂する。開花期は7月~10月、果期は8月~10月。
- ツルソバ(P. chinensis)→原産地は、日本(房総半島以西、伊豆半島、四国、九州、沖縄)、朝鮮半島、台湾、中国、ミャンマー、タイ、カンボジア、フィリピン、インド、スリランカリランカ。多年草で、茎はつる状に横に匍匐して斜めに立ち上がる。草丈70~100cm。基部は木質化する。花序は、茎頂部または腋生に長さ3~5mm、数個の頭状花序が集合して円錐花序を形成して、数個の花が付く。花被は白色~ピンク色で5裂する。開花期は5月~11月、果期は7月~12月。
暑さに強く放任でもよく育つほど強健
- いい苗の選び方
- 園芸店などで売られている鉢植えは、運搬や移動などで体力が落ちています。鉢植えを購入してきたら2~3日の間、日当たりの良い場所に置き光合成をさせて元気を回復させましょう。
- 用土
- コンテナの場合、市販の草花用培用土または赤玉土(小粒)6:腐葉土4:の割合で混ぜ込んだ土を使います。(用土に市販の培用土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をします)
- 地植えの場合、植え付けの1週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して、掘り起こした土に土壌改良用の腐葉土や赤玉土などを(1㎡当たり2~3kg / 土壌の2~3割位の配合比率)を混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。(用土に、市販の○○用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をしましょう)鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は必要ありません。
- 地植えの場合、植え付ける際に元肥として緩効性化成肥料(1㎡当たり60~100g)を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は必要ありません。
- タネまき
- 適期は、4月~5月です。
- 用土は、赤玉土(小粒)5:調整済みピートモス2:バーミキュライト3:などが代表的な配合。ジフィーセブン→吸水させるだけで培用土ポットになる(PH調整済み)
- 箱まきかポリポットにまきます。タネが薄く隠れる程度に覆土します。本葉が2~3枚になったらポリポットに鉢上げ(植え替え)します。ポリポットに根が回ったら1本立ちにして、さらに、一回り大きなポリポットへ鉢上げ(植え替え)します。その後は花壇やコンテナへ定植します。(移植の際に根を傷めると、その後の根付きがよくないので、ある程度根が張ったら早めに定植する)
- 植え付け
- 適期は、3月中旬~5月です。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように根鉢を1/3程(軽く崩す程度で)崩して、古い土を落としてから植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。
- 植え替え
- 適期は、3月中旬~5月です。
- コンテナの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、鉢中に根が回ってきたら植え替えましょう。根鉢を1/3程軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土と元肥を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。広がりすぎた他の植物を侵食しそなら、株分けするか違う場所へ植え替えましょう。
- 株分け
- 適期は、植え替え作業と同時に行いましょう。
- 挿し芽
- 適期は、5月~6月です。茎の先から7~10cmの長さで切り取り、挿し穂にします。下葉を取り除き、水揚げしておきます。挿し床の用土は、清潔で栄養分の少ないものが適しています。市販の挿し木用土、または鹿沼土、パーライト、ピートモス、バーミキュライトなど保水性のよいものを使いましょう。挿し穂は、○時間ほど水に浸して水揚げしておきます。挿し床の用土は、事前に水をかけて湿らせておきます。
- 風通しのよい明るい日陰で、水を切らさないように管理して発根を待ちます。
関東以西の平地であれば屋外での冬越し可能
- 水やり
- コンテナの場合、土の表面が乾いて白っぽくなったら、鉢底から水が流れ出るくらいタップリと施します。
- 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。極端に乾燥した日が続く場合は施しましょう。
- 種の採取
- 花後に、種ができます。採取して、紙袋などへ入れて涼しい場所で保存しましょう。翌春の、4月~5月の適期になったら播きましょう。
- 手入れ
- 冬越し→耐寒温度は-5℃程です。関東以西の平地であれば、地植えで冬越しができます。寒さで、地上部は枯れますが、翌春になると再び芽吹きます。土壌が凍るような寒冷地の場合、コンテナに植えて軒下などへ置きます。
- 病気・害虫→特になし
日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。
- 日陰でも育つが、花つきが悪くなるので明るい半日陰に移動してやりましょう。
- 西日や真夏日の直射に当たるのを避けましょう。コンテナを移動してやりましょう。